よくあるご質問
Q. | ECMOnetに問い合わせや搬送依頼はできますか? |
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A.
日本ECMOnet の活動は、医学的情報に基づいた情報支援(治療方針についての相談)を基本としています。マンパワーの限界もあり、診療支援や遠隔搬送といった現場での診療支援は限られた状況(国や自治体からの要請を受けた場合など)でのみ対応しています。このため、一般の方から直接ご連絡をいただいてもお答えすることはできないことをご理解ください。
私たちは、主治医の方からの電話相談(診療支援に踏み切るかどうかの判断含め)を24時間対応で受け付けています。一般の方からの直接のお問い合わせやご依頼は受け付けておりませんので、まずは、主治医の方にご相談ください。
Q. | ECMOはどんな時に使うのですか? |
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A.
ECMOは新型コロナウィルス重症肺炎に限らず、呼吸不全、心不全、あるいは心停止、といった生命に関わる一大事で、通常の治療方法では救命することが難しい場合に行う治療です。心臓や肺が障害を受けた場合に、その機能の肩代わりをすることで、心臓や肺を休ませ、機能の回復が期待される場合に検討されます。
重症の呼吸不全や心不全に加えて、心肺蘇生後や心肺移植への橋渡しにも使用します。
Q. | ECMOの治療は何日位かかりますか? |
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A.
呼吸不全や心不全の状態によって経過は様々ですが、数日から数週間の治療を想定しています。ECMOが装着されている間は、医師、看護師、そして臨床工学士が24時間常時つきっきりで治療を行います。このため、通常の診療と比べて圧倒的にマンパワーを必要とする治療といえます。
Q. | ECMOで後遺症は残りますか? |
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A.
新型コロナウイルス感染症をはじめとして、ECMO治療を必要とする病気に際して、病気そのものに伴う後遺症とECMO治療に伴う後遺症を厳密に分けることは難しいのが現状です。その上で、ECMO治療に伴う後遺症と考えられるのは、以下のようなものがあります。
1)ECMO治療に際しては、大量の血液を身体から出し入れする必要があり、非常に太い管(カニューレ)を血管に挿入することが必要です。その結果、挿入した足の虚血を生じたり、あるいは上肢の虚血を生じる可能性があります。そのリスクについては主治医にご確認ください。
2)新型コロナウイルス感染では、全身の血液が固まりやすくなり、そのため様々な臓器における血流障害が報告されています。一方で、ECMO治療では、大量の血液を体外装置に連続的に灌流させるために、血液が固まってしまう可能性が高まります。血液が固まらないよう抗凝固薬を連続的に用いますが、その結果、ECMOの合併症の一つに大量出血があります。こうした血液の出血凝固異常についてのリスクも主治医・担当医から十分な説明を受けてください。
Q. | ECMOの治療を行う上で、国際的な組織はありますか? |
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A.
世界中で行われている ECMO治療の実態について、症例登録されたデータをもとに、治療成績ならびに治療ガイドラインなどの情報を提供している組織があります。
Extracorporeal Life Support Organization (ELOSO) という組織で、ECMO治療の最新情報を提供しています。日本ECMOnetも、このELSO の治療方針をもとに診療を行っています。
https://www.elso.org/
Q. | 日本ECMOnetはどんな人達がやっているのですか? |
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A.
活動メンバーは、ECMO治療に十分な知識と経験のある医師で構成されています。現在、100名以上のメンバーが活動していますが、学会や病院、あるいは大学、そして地方自治体などとは全く独立した立場で活動しています。
2020年2月、日本ECMOnetの活動は無償のボランティア活動として始まりましたが、同年5月から厚生労働省事業として活動支援を賜り人件費などの補助が開始されております。
ただ課題もあります。上記の政府からの支援によって、医療現場の支援に入る医師の人件費、交通費については確保できておりますが、医療支援現場や、現場に向かう途中での事故も含めさまざまなリスクへの補償はありません。医療データの症例登録なども、ボランティアで行っています。役員は無報酬で関係者の使命感と熱意によって運営されているのが現状です。
Q. | 寄付をした場合どの様に使われますか? |
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A.
みなさまから頂いたご支援金につきましては、下記のような事業や経費に使わせていただきたく思っております。皆様のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
1.ECMO現地治療にかかわる医師の支援
医師が、現地での不慮の事故や移動中の事故に備える損害賠償保険掛け金,医師がECMO出張治療に伴い、自らが勤務する病院の業務から外れることによる費用の補填など
2.今後の研究、治療成果の向上のため、ECMOを使用した症例について、記録・登録していくための人材雇用を含めた諸経費
3.日本ECMOnet事務局の運営費(事務費、人件費など)。現在は、専任スタッフがゼロの状態です。
4.ECMOnetが自ら企画し、ECMO治療ができる医療従事者の数を増やすための独自の講習・研修の費用補助
ご寄付が予想を超えて多く集まるなどの場合は、ECMO医療緊急支援用のエクモカーの購入も検討します。